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「遺産相続弁護士 柿崎真一」第3話の感想

「遺産相続弁護士 柿崎真一」第3話をみました。

気になった点を挙げます。

 

相続放棄できない!?

弟には、遺産が土地家屋約2000万円で、その他に清水綋治さんからの借入金4500万円があります。

そして、妻であった烏丸せつこさんは、相続放棄をしようといいます。

しかし、清水綋治さんは、遺産である車を売却してしまったから、相続放棄はできないといいます。

これはどういうことでしょうか。

 

前回述べたとおり、相続放棄は相続開始のときから3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。

しかしながら、3か月を経過する前であっても、「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。」には、単純承認をしたものとみなされてしまうため、相続放棄をすることはできなくなっています(民法921条1号)。

今回のケースでも、遺産の一部を売却しており、これが「相続財産の処分」にあたるため、相続放棄をすることができないということになります。

 

ただ、烏丸せつこさんは、葬式代のために車を売却したと述べています。

この点、大阪高決平成14年7月3日では、貯金を解約して葬儀費用に充てたケースで、これは単純承認には当たらないと述べています。

今回のケースは、貯金の解約と車の売却ということで違いますが、葬儀費用という点では同じであり、単純承認には当たらないという解釈もありうるものと思います。

 

相続放棄するとどうなる!?

清水綋治さんは、相続放棄をすると、借金は回収不可能になるといいます。

しかし、これはいまいちピンときませんでした。

妻と子どもが相続放棄をした場合、(次順位の相続人である両親はすでに死亡していると思いますので、)相続人になるのは兄である清水綋治さんだと思います。

この場合、相続財産も相続債務もすべて清水綋治さんが取得しますが、相続債務については清水綋治さんは債権者なので、混同により消滅します。

そうすると、清水綋治さんは土地家屋約2000万円を取得できることになります。

ですので、4500万円全額の回収は無理ですが、2000万円の回収はできるわけです。

 

また、仮に清水綋治さんが相続人ではないと考えて、誰も相続人がいなくなったという場合でも同じです。

弟の相続財産と相続債務を誰も承継する人はいないということになると、法律上、相続財産管理人の選任をしたうえで、債権者は、相続財産から回収をすることが可能です。

 

このように、どう考えたとしても、清水綋治さんは2000万円の回収は可能だと思われます。

 

そのほかにもありますが、とりあえずはこんなところです。