「遺産相続弁護士 柿崎真一」第2話の感想

「遺産相続弁護士 柿崎真一」第2話をみました。

また、気になったところをいくつか書いてみます。

 

遺言を破く

冒頭、酒井若菜さんは、遺言状をみると、別の人が受取人になっていたということで、破ってしまいます。

前回の放送で、三上博史さんは、遺言状の名前を訂正したことについて、遺言の「変造」にあたり、相続欠格にあたると指摘していましたが、破く行為も「破棄」ですので、相続欠格にあたります。

前回述べたとおり、相続欠格になるためには、「相続に関して不当な利益を目的とすること」が必要ですが、今回の酒井若菜さんが破いたのは、他の人に遺産を受け取らせないようにするためですので、今回破いたのは、この目的もあると言えそうです。

ただ、相続欠格になるのは、別の遺言で、酒井若菜さんが受取人になっているだけです。なにも遺言がない状態では、相続人でない酒井若菜さんは、相続欠格というまでもなく、遺産を受け取ることはできません。

 

なお、今回の遺言状のように自筆で遺言が書かれていると、発見することができなかったり、破棄されてしまうこともあります。

そして、実際に、遺言が見つからなかったり、破棄されてしまうと、遺言内容を実現することは難しいでしょう。

このような事態を防ぐためには、公証役場で公正証書遺言を作成する必要があります。

 

遺骨は誰のものか

篠井英介さんと西原亜希さんとの間でトラブルが生じているところに、三上博史さんと森川葵さんが遭遇します。

ここで、篠井英介さんは、「化石が私有地から見つかったから、化石は自分のものだ」といいます。

一方、森川葵さんは、「民法239条があるから、発見者のものだ」といいます。

それから、篠井英介さんは、「話し合いによって決めたり、法廷で決着をつけることもある」といいます。

 

化石が誰のものかについては、不勉強で申し訳ないのですが、よく分かりません。

一般的にいって、私有地だから土地所有者のものだとは言えないと思われます。

例えば、土地を借りて作物を育てるということもありますが、この場合、もちろん、作物は土地を借りた者のものです。

今回化石を見つけるに際して、田野良樹さんも、篠井英介さんから了解を得て発掘作業をしていると思われますが、化石をどちらがしゅとくするかもどのような経緯で発掘作業をしていたかによるように思われます。

これが、「話し合いで決着をつける」とか「法廷で決着をつける」ということの意味のように思われます。

 

相続放棄

岡山天音さん(一人息子)は当初、「相続放棄をする」といい、これに対し、妻である西原亜希さんが反対します。

 

ここで、相続放棄をするかどうかは重要です。

今回のケースだと、相続放棄をしない場合、土地と建物3000万円と、銀行からの借入れ4000万円で、マイナス1000万円です。化石に1000万円以上の価値があれば、プラスになりますが、そうでない場合には、マイナスが上回ってしまいます。

そして、相続放棄をしないと、この負債を、一人息子の岡山天音さんはこれを返済しないといけなくなります。

逆に、相続放棄をした場合には、土地と建物と化石を受け取れない代わりに、借り入れを返済する必要もなくなります。

 

相続放棄を行う場合には、相続開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。

今回のように、借入れを知ったのが、相続開始より後であり、それがやむを得ない場合には、借り入れを知ったときが起算点となります。

そこで、今回のようなケースでは、3か月以内に、化石に価値があるのかを見極め、相続放棄をするかどうかを判断する必要があります。

なお、どうしても3か月以内に判断ができない場合には、事前に家庭裁判所に申立てをすることで、期間を延長することができます。

 

今回はとりあえずこんなところです。